川崎の名ジョッキー、森下博騎手。
地方通算2676勝(重賞勝ちは33勝)。
国内最高齢勝利記録64歳10か月。
国内最高齢騎乗記録64歳10か月2日。
今年3月31日、無観客の川崎開催で、ステッキを置きました。
「馬のことが大好きだから馬から離れられない」と、今度は厩務員として再出発。
そんな森下さんが、8月28日の川崎5レースで、担当馬トキノステラ(川崎・八木喜厩舎)で初勝利を挙げたことはこちらでもお伝えしました。
1973年11月7日に、18歳で騎手としての初勝利。
2020年8月28日には、65歳で厩務員としての初勝利。
騎手時代は偉大な師匠の井上宥藏調教師に、馬について様々なことを厳しく学んできたという森下さん。こういう厩務員さんとしてのお仕事も、若い頃にはお手伝いをしていたそうです。
厩務員として再出発してから約5か月。
パドックでは、トキノステラと森下厩務員、お手伝いで引いているのは先輩の坂下厩務員。
トキノステラは父がキングヘイロー、母は1994年の東京3歳優駿牝馬2着馬モガミヒメです(優勝はパルブライト)。
その東京3歳優駿牝馬で3着だったのが、森下騎手が騎乗したフラワーブリーズ。当時は、一緒に走った2着馬の子供を、厩務員として担当するようになるとは、森下さんも思わないですよねぇ。
鞍上はテン乗りだった阪上忠匡騎手。
レースは、最後方から進めていくと、豪快に差し切っての優勝。
「森下さんは厩務員さんとしても、いつも真面目に一生懸命仕事をされています。森下さんが調教から乗っている馬で、森下さんから『ひと脚使うから、最後それを使うように』というアドバイスも頂いて、感謝しています。
4コーナーを向いた時の手応えが良かったので、あとは前を行く馬次第で差せるかなとは思いました。森下さんには『ありがとうございます』と伝えました。森下さんの初勝利ができて本当に良かったです」(阪上騎手)。
笑顔で引き上げてきた森下さん。
森下厩務員としての初勝利。トキノステラにとっては2年ぶり通算2勝目。田中準市オーナーも、とてもとてもとてもうれしそうでした。
「馬は元々好きだけど、厩務員としての楽しさがやっとわかった感じ。担当馬が怪我をしないのは一番だけど、勝つのは本当に大変だったから、やっぱりうれしいよね。騎手時代とはまた違ううれしさ。感無量」と森下さん。
坂下先輩からは、「馬が好きだから、本当に一生懸命やっている」と、労いの言葉が出ていました。
勝負服姿の森下さんもカッコよかったですが、こうやって馬に寄り添っている森下さんもすごくカッコいいです。
騎手として偉大な成績を残した森下さんが、
今度は厩務員としてどんな姿を見せてくれるのでしょうか。
森下厩務員、1勝目おめでとうございます!