パート1、パート2、パート3と続いております。
さぁ、こちらは坂路を使いにきたお馬さんたちの出張馬房です。全部で24馬房あります。
天井も高くて非常に広々としています。扇風機が馬房ごとに備え付けられているんですが、工事の方のお話しでは、夏場もこの中は涼しかったそうです。
今日は、大井競馬小林牧場にできた新調教コースの坂路(ニューポリトラック)見学会が行われました。総工費約15億円をかけて、いよいよ坂路が完成!!!
コース全長は1050m、幅員 5m
(内訳)
スターティングゾーン (進入路) 230m
トレーニングゾーン (坂路部分) 400m 勾配 3.0%
ブレーキングゾーン 80m 勾配 3.5%
帰り馬道 340m
写真は小林の堀千亜樹調教師が試走している所ですが、坂路を上がってゴールした所です。私はブレーキングゾーンで撮影しています。
新素材馬場ニューポリトラックとは・・・ということで、こちらをご覧ください。 写真はニューポリトラックの馬場をアップにしたものです。パッと見は、色が入っていてかわいらしいですよ。いろんなものが混ざっているんだなぁって感じ。「おからみたい」という声も。
ニューポリトラックは、電線被覆材、ポリエステル不織布、ポリウレタン繊維、硅砂などワックスで混合したものです。優れた排水性を持つために、雨や雪が降った時の馬場の悪化や走行時のキックバックが少ないそう。また、衝撃吸収性が高いために、馬の脚元への負担が軽減されるそうです。そして、凍結抵抗性や粘着性が高いので、不凍剤散布の必要がないとのこと。
実際触ってみると、ワックス効果もあってかベトベトッとした感覚。こんな感じでいろんなものが混ざってあるんです。
私たち報道陣も坂路の入り口から400mを上がってみました。場所によっては走って上がってみたんですが、フカフカしていて非常にクッションが効いていました。かなりいい運動にはなっているんですが、足は楽でしたねぇ。足跡を一度つけると、プニュ〜ッとその跡がすぐに戻ったところも印象的でした。
ダートはかなり力を入れないと進んでいきませんが、ニューポリトラックは全く違った感覚でした。
なお、全天候型という意味を非常に体感できた一日でもあったので、それはパート2でお届けします。
つづき↓
スピード、スタミナ、パワー、全てを兼ね備えた希代の名馬アジュディミツオーの引退式が行われて、早いもので3カ月が経とうとしています。今振り返っても、ミツオーの地方競馬界に残した功績は語り尽くせないですねぇ。ミツオーがその場にいてくれるだけで、どれだけ頼もしくて心強かったか・・・。南関東の誇りでした。
生涯成績 27戦10勝
タイトル 04東京湾カップ、04東京ダービー、04東京大賞典、05東京大賞典、06川崎記念、06マイルグランプリ、06かしわ記念、06帝王賞
05ドバイワールドカップに参戦し地方所属馬として初めて世界へ挑戦。
04NARグランプリサラブレット3歳最優秀馬
05NARグランプリ年度代表馬&サラブレット4歳最優秀馬
06NARグランプリ年度代表馬&サラブレット4歳最優秀馬
09NARグランプリ特別表彰馬
「俺が乗れなかったら寂しいよ」と言って、主戦だった内田博幸騎手が久しぶりにミツオーの背中に乗った引退式。
「騎手をやっていて、馬を怖いって思ったことはないんだけど、ミツオーと出会って、初めてレース前に怖いって思う感覚を覚えたよ。その後に、1頭くらいいたかな、怖いって思った馬。でも、一番最初はミツオーだった。ちゃんと御せるんだろうかって…」(内田騎手)。
南関東から中央に旅立ち、今や日本の頂点を極めた内田騎手に「怖い」と言わせたミツオー。
これまで2度のレコードタイムを出し、レコードタイやそれに近いスピードで走り続けました。豪快なフットワークで単騎で逃げるミツオーを見ると、「あ〜、気持ち良さそうに走っているなぁ」なんて思いながらいちファンとしては見ていたんですが・・・。
「とんでもないよ(苦笑)。そのままのスピードで行かせちゃえば10馬身はぶっち切って走っていたと思う。2コーナーくらいからは格闘で、腕がしびれてきて、向正面では人間の方がガタガタになるくらいだった。ここまでパワーある馬はいないよ。あんなスピードで行っても、テンよし・中よし・終いよしで全部が速い。レースを勝つために走っているようだった。俺に任せておけって」(内田騎手)。
とてつもないパワーがありながらも、無駄な動きはしなかったと言います。パワフルではあるけれど、頭がよくて賢い馬。ミツオーに接した人たちが口にすることです。あっ、肉食獣みたいだったっていうことも(苦笑)。まぁ、ステーキが好きそうに見えますが、実際は青草とニンジンが大好きな至ってノーマルな草食動物ですけどね、念のため。
「初めて跨った時になんだこれは?って思いました。今までにない乗り味だったんです。全てのレベルが高くて、デビュー前の馬じゃない。すでにオープン馬のようでした。この先、これほどの馬は出てこないんじゃないかなと思うくらいすごい馬でした」(デビュー前から調教をつけ続けた佐藤裕太騎手)。
「喜怒哀楽が激しかったからわかりやすい性格でしたね。手の内に入れれば扱いやすいいい子でしたよ。人間好きで懐っこいんですが甘え方がわからないというか・・・あの体で甘えられても(苦笑)。競馬に行ってのオンオフの切り替えがちゃんとできるし、人の行動も読める馬でした。我慢強くて偉い子でしたね」(担当の藤川伸也厩務員)。
「接戦になった時の渋太さは素晴らしかった。バタッとこなくて辛抱強い。ボールドルーラーのいいスタミナを受け継いだと思う。配合からかかわった馬だから思い入れも深いよ」(川島正行調教師)。
「デビュー戦から勝ち鞍を挙げることができて、それからたくさんの賞を勝つことができました。これも、ミツオーを世話してくれた関係者の努力の賜物だと思いますよ。ファンの皆さんも、ミツオーを応援してくれてありがとうございました。感謝しております」(織戸眞男オーナー)。
つづき↓