好メンバーが集った報知グランプリカップ。2016年エルムSの勝ち馬リッカルドが、中央から佐藤裕太厩舎に移籍しての初戦となりました。
祖母のケイシュウハーブは川崎で走った馬。そのケイシュウハーブの息子たちが、スマートファルコンやワールドクリーク。ということで、偉大な馬たちの甥っ子にあたります。大人しくて素直な馬ということで、7歳セン馬ではあるけれど、佇まいが何とも愛らしい。
騎手時代には調教パートナーとしてアジュディミツオーやフリオーソなど多くの重賞ウィナーに関わってきた佐藤裕太調教師が調教に乗り、アブクマポーロやベルモントアクターなど数えきれないほどの重賞ウィナーを育て上げてきた楠厩務員が担当し、強力タッグを組んで送り込んできたのがこのリッカルド。
初戦となった報知グランプリカップ、度肝を抜く強さでした……。
全頭パドック↓
内を引いているのは楠厩務員、外はナイキマドリードやスアデラの舟山厩務員↓
レースでコンビを組んだのは、昨年の南関東リーディング・矢野貴之騎手。「そこそこ前に行けそうな気もするし、あまり急かさないように折り合いにだけ気をつけて、3番手くらいを取れれればいいなぁと。予定通りの位置を取れました」(矢野騎手)。
1コーナー手前でバルダッサーレがハナを切ると、2番手に1番人気ケイアイレオーネ、3番手にリッカルド、その後ろ内目にキャプテンキング、外目にはロワジャルダンと、結果的に上位に入る馬たちがこのポジションに。「折り合いも大丈夫でした。真面目だし癖もなくて乗りやすい馬です」。
3〜4コーナーから先団に並びかけていき最後の直線では一気に先頭へ。これまで南関東の古馬戦線をにぎわせてきた馬たちを、グングングングン突き放していくリッカルドの走り、言葉も出ませんでした。
「手応えも良くて乗っているだけでした。的場さん(ケイアイレオーネ)がいい目標になったんですが、楽に勝てるなっていう感じの手応えだったし、直線では遊ばせないように走らせました。真面目で乗りやすくて癖が何もなくて、今日のところは不安な点が何もありません。ほんと乗っているだけって感じで、すばらしい馬です」。
リッカルドは2着のロワジャルダンに7馬身差をつける圧勝。1800m1分53秒1(やや重)。
引き上げてきた時の様子↓
佐藤裕太調教師コメント↓
「(リッカルドは)背腰にデリケートなところがあるので、痛めないようにしながら、オーバーワークにならないように乗ってきました。跨った瞬間から、重賞を勝っている馬だなぁというのは背中から伝わってきていたので、一発はあるんじゃないかなと期待はしていました。
普段乗っていても、切れる脚より長くいい脚を使うような心臓の強さがすごく伝わってくる馬です。レースに向けてのいい意味での気合いのりもすごいです。でも、こんなに7馬身もちぎって勝つとまでは思っていませんでした。
今後については未定ですが、1600mから2000mくらいの距離を視野に入れて、ゆくゆくはかしわ記念などにも挑戦できたらいいですね。もっと上のメンバーとやってもいい勝負ができるんじゃないかなと期待しています」
佐藤調教師にとって、スアデラに続く2つ目のタイトルを奪取。重賞でのこういう光景を、裕太調教師を応援する人たちの多くが心待ちにしてきましたが、これからこの馬と何回見せてくれるのでしょうか……。
リッカルドのオーナー様は裕太厩舎にいるヤンキーソブリンも所有されています。ヤンキーソヴリンも楠厩務員が担当し、堅実に立派に走り続けてきたことで、そんなヤンキーソヴリンがつながいでくれたというリッカルド。
南関東にとって、頼もしい馬が仲間入りをしました。
報知グランプリ優勝おめでとうございます。
リッカルド 7歳セン馬
馬主 (株) レックス様
生産 岡田スタッド様(新ひだか町)
父 フサイチリシャール、母 キョウエイハツラツ、母父 オペラハウス
船橋・佐藤裕太厩舎
<他陣営のコメント>
2着 ロワジャルダン 真島大輔騎手
「スタートしてから外にもたれたりして気の難しさはありましたが、一戦ごとに体がとても良くなっていて、今はそれに体がついていっていないだけで、さらにもっと良くなりそうな感じです。馬も若いし、これからもっと走っていきそうなので、ゆくゆくは中央交流でも面白いんじゃないかなと思います」
3着 キャプテンキング 御神本訓史騎手
「初めて乗せて頂きましたが、久しぶりのレースなのに頑張りましたね。距離はもう少し短い方がいいと思います」
5着 ケイアイレオーネ 的場文男騎手(1番人気)
「あの展開になったら勝たないと。(リッカルドに)交わされたら手応えがなくなってしまった……」