船橋の臼井健太郎騎手がヤングジョッキーシリーズ総合優勝を果たしました。あれから約20日……。
「実は終わった後もそんなに実感がなくて、夢の中にいるような2日間でした。フワフワしていて、興奮状態だったんですかね。まだ僕自身の騎乗数が少なくて成績自体も残していませんから、今回優勝はさせて頂きましたが変な自信になったら嫌なので、いつもと変わらないリズムでやっていきたいです」と臼井騎手。
大井と中山でファイナルラウンドを終えた翌日から、いつも通り朝1時40分から船橋競馬場で調教に乗ったそうなんですが、気疲れや体の疲れはあったはずなのに、特にそういう部分の大変さはなくて、「うちに帰ってきたなぁって、ホッとしました(笑)」。
埼玉県出身の臼井騎手は、子供の頃に、競馬好きな父親に中山競馬場へ連れていってもらったことが、騎手になるきっかけになったそうです。「内馬場からレースを見ていて、騎手が馬を追っている姿がカッコよかったです」。
そんな思い出深い中山競馬場で初騎乗になりましたが、
「パドックから返し馬をしてレースというのは、地方も中央もやっていることは一緒なので、初めての中山競馬場でも特に緊張することもなかったです。この2日間は船橋、地方競馬の代表として頑張ろうと思いました。
焦らずに冷静に乗って力を出せるように。調教師さんや厩務員さんのお話しをよく聞いて、指示通り一生懸命に乗ろうと思いました。結果的に優勝できたことはうれしかったですが、まだ技術不足なので反省ばかりです」。
このヤングジョッキーシリーズで初めて経験できたのは、テン乗りの馬たちとコンビを組めたこと。
「これまでは自分の調教に乗っている馬で、船橋や他場遠征に行くことはあったんですが、僕の立場ではテン乗りの馬に騎乗する機会はありませんでした。今回初めて乗せて頂く馬たちばかりだったので、テン乗りの馬でどういう競馬をするのか、乗ってみないとわからないことはありましたが、その中でも臨機応変に、乗り方はもちろん、環境や技術、馬場の対応など、とても勉強になりました」。
昨日1月14日で21歳の誕生日を迎えた臼井騎手。今後は東京ダービーをはじめとしたビッグレースにも騎乗して勝ちたいという目標があるそうです。今日と明日は6鞍ずつの騎乗。17日には優勝報告会も行われます。
この経験でさらにどんな騎手になっていくのか……。本当に楽しみで頼もしいです。
臼井騎手がスーパージョッキーズシリーズ初代王者に輝いてから、最初の船橋開催が始まります。
写真撮影 森内智也氏